『移民の子供の学習特性』について

OECDの調査によれば、移民の子供の学力というのは、ネイティブの子どもと比較すると、著しく低いことが示されています。では、移民はネイティブと比較して勉強に対して意欲や関心、自信をどのくらい持っているでしょうか。また、移民の子どもたちはどのくらい肯定的に学校という場を捉えているでしょうか。学力と同様に、ネイティブに比べて非常に低くなっているのでしょうか。この論文では、その問いを検証します。
いくつかの先行研究によれば、関心や意欲、自信、学校観などの要素は、学校の中での学びのみならず、生涯を通しての学びにとって重要な要因であり、将来の成果や業績を左右する要因であると考えられています。それ故に、これらの要因に着目することに価値があるのです。
前置きが長くなりましたが、本研究によれば、移民の関心、意欲、学校観についての肯定的な認識の度合い、おいて移民はネイティブに比べて、同水準か、もしくは少し高い水準であるということが示されました。これは、今後の移民教育に対する指標となりうる結果といえるでしょう。
一方で、自信という観点については、あまり有意に移民の子供が高いという結果は得られませんでした。ただ、自信の一部を成す自己効力感(課題を努力によって自力で乗り越えていくことへの自信)については、移民の子どもたちはネイティブの子どもに較べて非常に低いという結果は示されました。この結果は今後の課題として残りそうです。

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