在日外国人の仕事―2000年の国勢調査から― 大曲、高谷、鍛冶、稲葉、樋口著
ニューカマーの労働状況について
失業率
インドネシア-1.5%【最も低い】
外国人全体の平均よりも5.7%以上低いグループ
インド、ネパール、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー
外国人平均以下
パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル、ボリビア(わずかに低い程度)、ペルー(僅か)
平均付近
カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、フィリピン、ベトナム
平均よりも1ポイント以上高い
イラン、韓国・朝鮮(失業問題の存在を示唆)、ラオス、ガーナ、ナイジェリア
失業率
インドネシア-1.5%【最も低い】
外国人全体の平均よりも5.7%以上低いグループ
インド、ネパール、バングラデシュ、マレーシア、ミャンマー
外国人平均以下
パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル、ボリビア(わずかに低い程度)、ペルー(僅か)
平均付近
カンボジア、スリランカ、タイ、中国、パキスタン、フィリピン、ベトナム
平均よりも1ポイント以上高い
イラン、韓国・朝鮮(失業問題の存在を示唆)、ラオス、ガーナ、ナイジェリア
キーワード:エスニックニッチ
或るエスニック集団が構造的、文脈的様々な理由や背景から特定の産業に集中すること。
要因の例:移民受け入れの文脈、移民のネットワークを介した求職行動
そうした産業のことをあるエスニック集団によって形成されたエスニックニッチと呼ぶ。
或るエスニック集団が構造的、文脈的様々な理由や背景から特定の産業に集中すること。
要因の例:移民受け入れの文脈、移民のネットワークを介した求職行動
そうした産業のことをあるエスニック集団によって形成されたエスニックニッチと呼ぶ。
職業小分類に見る外国人の職業
専門職・管理職
中国籍の高さが際立っている(日本人以上)―1割以上が専門職
(New ComerかOld Comerかはわからない)
韓国・朝鮮籍
専門職は日本人とそれほど変わりはない。
管理職(主に会社役員)比率は高い―日本人の2.5倍、中国人の3倍
(就職差別→起業によって活路を見出してことに依る)
その他
中国系以外のニューカマーには、専門・管理職の道は明確に閉ざされている。
専門職・管理職
中国籍の高さが際立っている(日本人以上)―1割以上が専門職
(New ComerかOld Comerかはわからない)
韓国・朝鮮籍
専門職は日本人とそれほど変わりはない。
管理職(主に会社役員)比率は高い―日本人の2.5倍、中国人の3倍
(就職差別→起業によって活路を見出してことに依る)
その他
中国系以外のニューカマーには、専門・管理職の道は明確に閉ざされている。
サービス業
外国人は(ブラジル・ペルーを除き)サービル業への従事比率が高い
フィリピン・タイ国籍は中でも際立ってこの業種に集中している
調理人―韓国・朝鮮、中国、タイ国籍者で日本人の2倍以上
(そのほか飲食業関連でもそれらの国籍者は日本人よりも多い―エスニックニッチ)
性産業
フィリピン―4分の1が性産業に従事
タイ―6%が性産業に従事
外国人は(ブラジル・ペルーを除き)サービル業への従事比率が高い
フィリピン・タイ国籍は中でも際立ってこの業種に集中している
調理人―韓国・朝鮮、中国、タイ国籍者で日本人の2倍以上
(そのほか飲食業関連でもそれらの国籍者は日本人よりも多い―エスニックニッチ)
性産業
フィリピン―4分の1が性産業に従事
タイ―6%が性産業に従事
生産工程職
サービス業に較べるとエスニックニッチ化の傾向は弱い
中国籍―日本人の3倍弱が従事
【実習生、研修生の存在】
フィリピン―中国籍と同程度
タイーフィリピン国籍以上の高さ
ブラジル―75%が製造業
タイ―70%が製造業
圧倒的な南米系移民に依るエスニックニッチを形成している。
サービス業に較べるとエスニックニッチ化の傾向は弱い
中国籍―日本人の3倍弱が従事
【実習生、研修生の存在】
フィリピン―中国籍と同程度
タイーフィリピン国籍以上の高さ
ブラジル―75%が製造業
タイ―70%が製造業
圧倒的な南米系移民に依るエスニックニッチを形成している。
学歴と職業、労働
日本と中国、韓国・朝鮮籍
大卒の方が役員が多く、家族従業者(家業に従事する人)が少ない。
フィリピン・タイ国籍
総じて学歴の効果は限定的
大卒で自営業(雇人のいない業主)の比率が高く家業の割合が低い。
タイ国籍の大卒以上は役員の割合が高いが背景は不明
ブラジル・ペルー国籍
学歴の持つ効果はフィリピン・タイよりも限定的
学歴と職業に関連について言えそうなことはブラジル人で大卒層で役員が多いことくらい。
学歴に関係なく、横一列で競争をせざる終えない状況がある。
二世代以降も階級上昇できずに労働市場の底辺に押し込まれてしまっている点が問題。
失業者率と学歴
日本、韓国・朝鮮―学歴が上がるほど比例して失業率も低くなる。
他の集団についても、タイ・ブラジルを除けば大卒層で低い。
一般にニューカマーでは、日本、韓国・朝鮮ほど学歴を失業率の相関は高くない。
(日本で教育を受けていないニューカマーにとっては学歴が資格としてそれ自体に意味があるわけではないことに依る。大卒で失業率が低いのは、大卒が資格としてそれ自体で意味を持っているわけではなく、教育によって身に付けた人的資本が競争に役だっていることに依る)
日本と中国、韓国・朝鮮籍
大卒の方が役員が多く、家族従業者(家業に従事する人)が少ない。
フィリピン・タイ国籍
総じて学歴の効果は限定的
大卒で自営業(雇人のいない業主)の比率が高く家業の割合が低い。
タイ国籍の大卒以上は役員の割合が高いが背景は不明
ブラジル・ペルー国籍
学歴の持つ効果はフィリピン・タイよりも限定的
学歴と職業に関連について言えそうなことはブラジル人で大卒層で役員が多いことくらい。
学歴に関係なく、横一列で競争をせざる終えない状況がある。
二世代以降も階級上昇できずに労働市場の底辺に押し込まれてしまっている点が問題。
失業者率と学歴
日本、韓国・朝鮮―学歴が上がるほど比例して失業率も低くなる。
他の集団についても、タイ・ブラジルを除けば大卒層で低い。
一般にニューカマーでは、日本、韓国・朝鮮ほど学歴を失業率の相関は高くない。
(日本で教育を受けていないニューカマーにとっては学歴が資格としてそれ自体に意味があるわけではないことに依る。大卒で失業率が低いのは、大卒が資格としてそれ自体で意味を持っているわけではなく、教育によって身に付けた人的資本が競争に役だっていることに依る)
まとめ
韓国・朝鮮籍は日本人と相対的に類似した集団となっている。これは日本で教育を受けたのが大多数であるのがこの二者であることに依る。その結果、差別を越えて共通する面が現れたのだろう。中国籍は、オールドカマーはエスニック経済への進出によって、ニューカマーは日本での高等教育を利用した専門職への進出によって地位を確保しようとしている。中国籍、韓国・朝鮮籍がモデルマイノリティのような存在。
ただ、在日コリアンも中国籍ニューカマーも上層以外は、フィリピン国籍、タイ国籍同様にサービス業に吸収されている。
一方ブラジル・ペルー国籍は製造業への集中が類を見ないほどに高く、学歴などの要因が労働に与える影響が小さい点で特殊な集団といえる、
総じていえば、モデルマイノリティたる東アジア系、下層サービス業に集中する東南アジア系、不安定な製造業に集中する南米系という分岐が2000年時点で起きつつある。
韓国・朝鮮籍は日本人と相対的に類似した集団となっている。これは日本で教育を受けたのが大多数であるのがこの二者であることに依る。その結果、差別を越えて共通する面が現れたのだろう。中国籍は、オールドカマーはエスニック経済への進出によって、ニューカマーは日本での高等教育を利用した専門職への進出によって地位を確保しようとしている。中国籍、韓国・朝鮮籍がモデルマイノリティのような存在。
ただ、在日コリアンも中国籍ニューカマーも上層以外は、フィリピン国籍、タイ国籍同様にサービス業に吸収されている。
一方ブラジル・ペルー国籍は製造業への集中が類を見ないほどに高く、学歴などの要因が労働に与える影響が小さい点で特殊な集団といえる、
総じていえば、モデルマイノリティたる東アジア系、下層サービス業に集中する東南アジア系、不安定な製造業に集中する南米系という分岐が2000年時点で起きつつある。
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