Take a break 人生を2倍長くする方法

人生を2倍長くする方法

僕には大きな悩みがあります。それは、本を読むのがものすごく遅い、ということです。遅いけど、読書は好きで読み始めると終わるまでずっと読んでしまうので、気が付くと一日が終わっていて、人生ってもしかしてすごく短いんじゃないかな、なんて感じてます。
だから、僕自身の最近の目標というか、小さな夢は速読を出来るようになること、です。速読という行動の内実が曖昧であるというのであれば、斎藤孝さんの言葉を借りて「2割を読んで8割を掴む読書」です。今まさに、斎藤孝さんの言葉を引いたわけでありますが、速読が出来るようになりたいという、ささやかな夢に後押しされて、最近何冊か速読のメソッドについての本を読みました。今日までは、民主主義と教育の内容を少しづつまとめてきましたが、今日は本当に時間がないので、最近読んだ速読についての本ついて書こうと思います。

速さ= F(技術, 知識)
少しだけ速読について勉強をしてみて感心したことは、僕が読んだ本にはある程度相互に重複している部分があったということでした。しかも、その重複は速読の小手先の技術的な部分に対する部分ではなくて、技術を支えるもう一つの重要な要素についてでした。今、この文章のサブタイトルに「速さ=F(技術, 知識)」というひとつの関数(意味を成しているか不安ですが)を書きました。この式は速読のメカニズムを現した式で、読む速さは、技術と知識を変数として決定される、という意味です。これについて順を追って説明していきます。

速読における技術
まず、速読にとって技術が重要であるということは、一般的なイメージとして多くの人が共有しているのではないでしょうか。僕自身速読という行為に対するイメージは、理解することが出来る視野の範囲を広くするトレーニングや、目を早く動かすトレーニングなど、どういった特別な技術的な修練の結果として得られるものであり、そういった技術が最も重要なのであろうと考えていました。しかし、この観念は決して正しいものではありませんでした。もちろん、速読において技術は重要なことです。例えば、文字を脳内で音読するような方法で読むのではなく、ひたすら文字を流れるように追うような技術などは、速読をする上で最も重要な技術であり、速読を行う上で欠かせないものであることは事実です。ですが、それでも、そういった技術は速読にとって最も重要な要素ではないのです。そして、速読において最も重要な要因、それが関数の変数のもう一方である、「知識」なのです。

知識のストックの重要性
速読において知識が重要であることを述べましたが、それを説明していく前に、まず、簡単な実験をしていきましょう。この実験はつい少し前に述べた、頭で音読するのではなく、見ることで一瞬で書かれていることを理解するという速読の技術を実際に行う実験です。直後の文章が、何のことわざ表しているのかを見た瞬間に答えてください。

「石にも上の年三」

答えは、「石の上にも三年」ということわざです。恐らく、簡単にわかったのではないでしょうか。今、実際に速読にとって重要な技術が実践されたわけでありますが、実はその技術を実際に実践することが出来たのにはわけがあります。それは、石の上にも三年ということわざが、非常に身近なことわざである上、ことわざが出題されるということが事前に情報として与えられていたからでしょう。つまり、この技術を効果的に利用するためには、書かれている内容についての知識のストックが重要なのです。知識のストックがなければ、速読の技術も力を十分には発揮できません。しかし、これは裏を返せば、知識のストックさえあれば、速読の技術は簡単に引き出すことが出来るし、速読自体が簡単に行えるということなのです。

速読をするために
最後に、速読の修得への具体的な方法を2つ紹介してこの記事を終えます。まず一つは、いろいろな本をたくさん読んで知識を身に付けることです。この考えは多くの人には、幻滅を与える逆説的なものかもしれません。なぜなら、多くの人は、たくさんの本を読むことが目的であり、その手段として速読を習得したいのに、速読の修得の手段が、本をたくさんこととなってしまうからです。つまり、本末が転倒してしまうのです。しかし、この方法は非常に妥当な方法であることは間違いありません。僕はこの一つ目の方法を知った時、はじめはがっかりしましたが、「人生そんなに甘くないか」となんだか教訓めいたものを感じました。
もう一つの方法は、文章を目で追いながら読むという方法での読書を速読したい本について何度も何度も繰り返す、という方法です。速読をするために、重要なことはその本の中に述べられていることについての知識のストックをもっていることであるということは少し前に述べました。そして、その本についての知識を最も多く保持しているのは、その本自体なのです。ならば、その本を何度も何度も読むことで、少しづつその本についての知識のストックを増やして、だんだんと速さを上げていくことができるはずなのです。この方法は、自分自身実践をしている最中ですが、なかなかその効果を実感することが出来るようになるまでは根気がいる作業になりそうです。民主主義と教育も速読の練習のために読んでいますが、今のところ速読はあまりうまくいっていません。

とはいえ、簡単に出来るものではなくとも、習得に時間を要するものでも、「石の上にも三年」。辛抱強く行えば、必ずできるようになる日が来ると思います。もしも速読技術を習得できれば、人生はきっと2倍長くて豊かな実感が得られると思います。

今後の速読技術についての経過報告も遂次行って行きますね!
それでは、みなさんよい一日を!

参考文献
斎藤孝の速読術 斎藤孝
どんな本でも大量に読める速読の本 宇都出雅巳

コメント

なにが読まれているのでしょうか

シンボリック相互作用論とはなにか

主観/客観図式 デカルト

R. マートン 社会理論と社会構造 第4章 社会構造とアノミー