速読多読 第二弾 社会学的方法の基準
速読多読 第二弾 社会学的方法の基準 デュルケム
2016年12月20日読了時間 4時間
今日はデュルケム著、社会学的方法の基準を読みました。250ページ程度の本で長くはないので、4時間は時間をかけすぎで、もはや速読といえるのか、という感じです。ですがめげずに毎日挑戦していこうと思います。
内容について
社会学的方法の基準は、デュルケムが社会的諸事実の研究に適用する方法の特色を明らかにし、またそれを規定するとの目的のもと著されたものである。著書においてデュルケムは社会的事実とは何か、社会的事実をどのように扱うべきであるか、社会学における説明とはどのような様式で行われるべきであるかなどについて触れている。
まず、社会的事実というものは、社会がもつ傾向性や特徴であり、社会学が研究対象とするものである。(社会の持つそうした特徴は個人にとっては外的で、個人の行動に圧力を加える。)これは、社会の中の個々が持つ特徴や傾向性から独立したもので、言い換えれば、社会は個々の人間の結合によって成立しているが、社会はその結合の結果個々人から独立した社会に特有の性質を持つということである。そのため、社会学的な説明は個々人の傾向性を説明することとは異なり、よって社会学的説明は心理学的説明とは異なる。つまり、心理学と社会学は不連続の学問領域なのだ。両者の関係は、人間を構成している物質についての無機化学的な説明としての化学と有機体としての人間を説明する心理学との関係に似ている。
そして、デュルケムは、そうした社会的事実をものを扱うように扱うことが重要であるという。社会学はこれまで、観念から出発し、観念に関する内省的な研究(哲学的な研究、哲学の一部としての社会学の研究)が成される傾向にあった。それに対してデュルケムは、社会的事実を(観察する主体にとって)外在的なものとして捉え、内省に依るのではなく観察によって科学的に研究していくことが重要であると述べたのである。
この一冊は、デュルケムによる、哲学と心理学からの社会学の独立宣言であるように思えた。
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