OLLIE

夏休み。
1か月もの膨大な、そして、束縛のない時間が目の前に広がった。
これまでの20年間であれば、なんの根拠もない希望に胸を膨らませ、楽観的に毎日の時間が過ぎていくのを楽しむことができたのだろう。
だけど、今はそんな気持ちになれない。

空っぽの頭をごまかすためにスケートボードに両足を乗せた。

スケートボードの初心者の自分は、ジャンプをする時、ジャンプの直前まで地面を見てしまう。自分が何を飛び越えようとしているのか、自分がどこに向かっているのか、わからないまま不安定にぐらつく四輪車の上に自分はいる。

自分はどこに向かっているのだろうか。
何を飛び越えようとしているのだろうか。
バランスを取ることに精いっぱいで、そんなこともわからない。

随分長い間板の上でただゆられていることに気づき、慌ててテールを蹴り、飛び上がろうとする。そうやって試みたジャンプは、大抵の場合は的外れな方向に飛んだり、殆ど飛び上がることができないままだ。

ようやく、前を見て飛ばなければいけないことに気付いた。
何を飛ぶのかわからないままでは何も飛べないことに気が付いた。
でもやっぱり、気付くだけではすぐには飛べない。

気づくのが遅すぎでないことを、祈る。

コメント

なにが読まれているのでしょうか

シンボリック相互作用論とはなにか

主観/客観図式 デカルト

R. マートン 社会理論と社会構造 第4章 社会構造とアノミー