速読多読。読書日記(久々) E・H・カー著 歴史とは何か

書籍名 E・H・カー著 歴史とは何か
読了日 2017年3月16日
読了時間 5時間

久々の『速読多読』になりました。
なかなか最近は、特に忙しいわけではないんですが、悩みの日々といいますか、難しい時期です。高校生のときもそうでしたけど、進路を選択するというのは簡単なことではないですね。考えることから逃げ出したくなってしまいます。

それはさておき、本題の速読多読の更新をします。
今日読んだ本は、『歴史とは何か』という本です。
著者のEHカーは、イギリスにおいて外交官、政治学者、歴史家とマルチに活躍した人物です。そして、著名な刊行物としては、『危機の20年』や『歴史とは何か』などがあり、それらの作品は日本においても世界各国においても多く引用されています。

この本との出会いは、二年前の冬、教職課程の何かの授業でした。細かないきさつは忘れてしまいましたが、尊敬する先輩に勧められるがまま購入し、そしてそのまま読まれることなく今を迎えてしまっていました。
そして再び、この本が手に取られた背景にあるのは、進路決定の悩みです。
人々が持っているある事柄に関するイメージがどのように作られてきたのか、ということを知るために、文献を探していた時に頭に浮かんだのがこの本でした。
二年前、先輩がこの本を勧めていただいたとき、その先輩は『この本には、歴史というものが誰によってどのようにして作られてきたか、ということが書いてある』と仰っておりました。歴史は自然に起こってきたことの記述であろうと感じていた自分にとっては、『歴史が作られる』というその言葉が新鮮で興味深く感じ当時手に取った背景がありました。
要するに”歴史は歴史家を通した社会的な構築(Social Construct)である”ということがその言葉の趣旨であろうと思われるその言葉を覚えていた自分は、社会的な構築がどのように行われるのかを学ぶにあたって参考にすべく今回手に取ったのでした。

前置きが長くなってしまいましたが、内容を手短にまとめます。
というか、本当に流して読んだので、手短以上に内容について述べることができないので、手短に述べます。

まず、一言でまとめるならば、”歴史とは、歴史家を介して行われる社会的構築である”ということであろうと思います。
これはどういうことかといえば、歴史は単なる過去の記述ではないし、記述ではあり得ないということではないでしょうか。曰く歴史とは、過去の積み重ねとして進歩(子どもが親の遺伝子を受け継ぐことでするような変化であり進歩)してきた現在の(社会の)目を通して、そしてさらに未来という目標への広がりを持つように、過去を解釈する過程であるといいます。即ち、歴史とは終わりも始まりもない、『現在と過去との絶え間ない対話である』ということです。

この、過去の解釈という過程は、歴史家と呼ばれる人が担う過程です。歴史家とよばれるこの人々は社会においてはただの個人です。故にこの解釈も個人的なものとなり、故に歴史は社会的な構築ではなく、いたって個人的な構築なのではないか、と疑問を呈したくなります。しかし、歴史家が社会においてはただの個人ということは、歴史家も社会の一部に過ぎないということであり、歴史家の解釈は社会による影響や支配から逃れることはできず、故に、彼らの解釈は社会に解釈となるのです。このようにして、歴史とは社会的構築(Social Construct)であるのです。

この本の残りの部分は、歴史と科学性、歴史家が解釈を行うメソッド、現在の持つ意味などに触れていました。今書いた部分に関しても、ちゃんと読めてるのか不安だし、ばばばーっと読んだだけなので詳しいことは、ちゃんと書けませんでしたので、ぜひ読んでみてください!

ではまた次回!!!
次は、C・R・ミルズの『社会学的想像力』でも読もうかな。

コメント

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